こんにちは、青山です。
今回はひらめき教室「弱者」のための仕事論(著:松井優征・佐藤オオキ)のレビューとなります。

「ひらめき教室「弱者」のための仕事論」のあらすじ

漫画家・松井優征とデザイナー・佐藤オオキの対談。クリエイターである二人の会話から、仕事や人生における重要なヒントが浮き彫りになる。

佐藤オオキさんに感謝します

私のブログって、小説のレビューがメインじゃないですか?

でも私、実は小説よりも“新書”(注1)の方が好きで多く読んでるんですよ。なので、これからは新書のレビューもしていきたいなと思います。

で、栄えある一冊目がこれ。
本作は著者に惹かれて手に取りました。
松井優征といえば、魔人探偵脳嚙ネウロや暗殺教室で有名な漫画家ですからね。

ぶっちゃけ、松井さん目当てで購入したんですよ。
申し訳ないのですが、佐藤オオキさんは眼中になかったですね。
誰だお前?って思ってました。

調べてみたら、デザイナー業界ではかなりの有名人だったことが判明して、己の無知さ加減が恥ずかしくなりました。
しかし、これを機会にデザインについても興味を持てたことは有難かったですね。

佐藤さんに御詫びと感謝を述べたいと思います。

弱点を認めることこそ強者の証

さて、私が本作を読みたいと思った理由ですが、それは松井優征さんとはどんな人なのかを知りたかったからです。数多の漫画家の中でも、彼からは突出した才能を感じていたからです。

一体どこから、あのような煌めく発想が出てくるのか?
彼の才能の上澄みだけでもいいから掬い上げて飲みたいなと思ったんですよ。

・・・しかし、ふたを開けてみると拍子抜けでしたね。

彼からは全然、神秘性が感じられない。
普通、驚くほどに普通。
いや、むしろ普通の人より欠点が多いくらいです。
肩透かしを食らって大怪我した気分ですよ。
でも、本書を読み進めて行くと、普通の人とは明らかに違う部分がありました。

それは、“弱点を認めている”ということです。
松井さんの弱点といえば、“画がそんなに上手くない”ということですね。

これはまあ、彼の作品を読んだことがある方ならば納得していただけるでしょう。
(“クリスタルな洋介”(注2)よりは上かなとは思うけれど、“沼駿”(注3)よりはやや劣るかなってぐらいでしょうか?)

画力が全てではない、だが、ここぞというところでの決定打に欠けることは否めない。
普通の人ならここで、弱点を克服しようと努力するんですよね。

だけど、彼はそうじゃない。
マイナスをカバーする方向ではなく、マイナスをマイナスなままにして他の部分を強化するわけですよ。

良い意味で諦めているんです。
逆説的に、その方が効率がいいんですわ。
弱点を克服するために費やすエネルギーって膨大なんですよね。
それと同じだけのエネルギーを他のスキル向上のために割り振れば、総合的なステータスは高くなるという道理。

ただし、実行できるかどうかは別。
松井さんは道理がわかった上で実行が伴っているから、凡人の域を越えられたんですね。

つまり、弱点を認めることこそが強者の証なんですなぁ。
本書には他にも、様々なヒントやエッセンスが盛りだくさんです。
仕事でも私生活でも不満を感じている方々にお勧めです。
現状を打開できる方法がわかるかもしれませんよ。

注1:B6判より少し小型で、あまり堅苦しくない書き方をした教養ものや小説などを収めた本。

注2:漫画家兼小説家。主な作品にオニデレ、ひめはじけ、おとこのこ妻などがある。

注3:漫画家。主な作品に左門くんはサモナーなどがある。

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