こんにちは、青山です。
今回は君の夢 僕の思考 (著:森博嗣)のレビューとなります。

「君の夢 僕の思考 」のあらすじ

小説家、森博嗣の様々な作品の中から選抜された言葉たち。我々を日頃から束縛している常識という鎖を取り払うエッセンスの集合。

人の心をスクラップ・アンド・ビルドするデバイス

皆さんは、己の人生観や価値観に影響を及ぼした作品がありますか?

アニメでもマンガでも映画でも絵画でも彫刻でも、触れた瞬間、自分の中で何かが変化する感覚を味わったことがあるでしょうか?

・・・え?
ないんですか?
それは勿体ないですね。
そんなあなたに、私は迷わず“森博嗣”の小説をお勧めします。

そうですね、まずは“すべてがFになる”を読んでください。
きっと、あなたの中で何かが変わるでしょう。

・・・え?
小説を読むのは面倒だし、時間もない?
いいでしょう。

ならば、そんなあなたには本書、“君の夢 僕の思考”をお勧めします。

本書は、森博嗣の様々な作品の中から、水際立ったセリフや文章を抽出してまとめたものです。

どれもこれも、深く考えさせられますね。
中には難解すぎて未だに理解できないものもあります。
もっとも、全て理解しようというのがそもそも間違っているんでしょうね。
これも森博嗣の受け売りですが(笑)。

では、本書の中で私がとびきり気に入っているセリフを三つ引用しましょう。

「先生・・・、現実って何でしょう?」
「現実とは何か、と考える瞬間にだけ、人間の思考に現れる幻想だ」
『すべてがFになる』 357頁

「動機なんて、本当のところ、僕は、聞きたくもないし、聞いても理解できないでしょう。それに、本人だって説明できるかどうか・・・。こんな欲望が、言葉に還元できるものでしょうか? 他人に説明できて、理解してもらえるくらいなら、人を殺したりしない。そうではありませんか?」
『詩的私的ジャック』 432頁

「生活から無駄なものを切り捨てていくと、最後に残るのは何だと思いますか?」
「無駄でないもの。君自身が残ることを祈る」
『臨機応答・変問自在』 105頁

いや~、素晴らしいですね!
天才の思考に触れることができる、それに勝る幸福はないでしょう。

本書を読むと、今までつまらないと思っていたもの(現実や仕事や恋愛など)が一転、価値あるものに変わるような気がしてきます。

まさに本書は、人の心をスクラップ・アンド・ビルドするデバイスです。

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