こんにちは、青山です。
今回はインサイド・フェイス 行動心理捜査官・楯岡絵麻 (著:佐藤青南)のレビューとなります。
「インサイド・フェイス 行動心理捜査官・楯岡絵麻 」のあらすじ
行動心理学を用いて相手のしぐさから嘘を見破る、警視庁捜査一課の美人刑事・楯岡絵麻。その手腕から“エンマ様”と呼ばれる。離婚した元夫に刺されたという被害者女性の証言により、被疑者の取り調べに当たった絵麻。しかし、ふたりの娘が三年前に殺されていた事実を知った絵麻は、筆談でしか応じようとしない不可解な行動をする被疑者から、ある可能性を感じ、後輩の西野とともに調査に乗り出すと・・・(裏表紙より)
第四話が神
本作は前回ご紹介したブラック・コールの続編です。
正直、私は本作を読もうかどうか迷いました。
だって、前作の内容が“あんな感じ”だったので、もうあれが最終回でいいんじゃないかと思っていたのでね。
「でもまあ、せっかくシリーズものを読み始めたことだし、最後まで付き合ってやろうか」
そう決意したわけです(随分と上から目線だな)。
では早速、本作の書評をしていきたいと思います。
相変わらず、有用な心理学の知識が盛りだくさんですね。
サイレント・ヴォイスの時のような言い回しのクドさもないし、欠点らしきものは見当たりませんね。
オマケに、第四話が神がかってる!!!
ページをめくる手が、文字を追う目が、まったく止まらない!!!
まさか“第一話のあの発言”と“第四話のあの発言”が伏線になっていたとは・・・。
見事、の一言に尽きます。
これから読まれるという方がいましたら、その辺に注目してみると楽しいと思いますよ。
絵麻さんのライバルのことが好きになった
今回は、絵麻さんのライバルである“筒井さん”が活躍します。
ライバル、という表現は適切ではないかもしれませんがね。
なにせ、お互いに相手のことを目の上のタンコブだと思っていますからね。
ライバルというのは、お互いに相手のことを鬱陶しいと思いつつも能力は認めている、というような関係のことですからね。
しかし、本作で少しはライバルに近づいたのではないでしょうか?
というか、筒井さんが大人になった、というのが正しい気がします。
なにしろ筒井さんは今まで、絵麻さんの能力を頭ごなしに否定してきましたからね。
私は、こういう脳筋が大嫌いだったのですが、本作を読んで彼のことが少し好きになりました。
自分の考えが間違っていたことを素直に認めることから成長が始まるんです。
自分の正しさやものさしを自分で否定するのは苦しいことですが、それができるかどうかで人間の器は決まると思います。
その点で、筒井さんの器はかなり大きくなったことでしょう。
自分も変なバイアス(偏見、先入観、思いこみ)に縛られないように気をつけなければならないなと、筒井さんを見ていて固く心に誓いました。
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