こんにちは、青山です。
今回は心理学者こころ女史の分析 卒業論文と4つの事件(著:七菜なな)のレビューとなります。


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「心理学者こころ女史の分析 卒業論文と4つの事件」のあらすじ

大学で心理学を専攻している三回生・柊正宗は、卒業論文保管庫で不思議な女と出会った。
彼女の名前は天童こころ。小柄で、見た目は高校生くらいだが、心理学研究室助手を務める大学院三回生だった。放っておくと一日中でも知恵の輪やルービックキューブをいじっているような変人だが、彼女の観察力と分析力は並外れていた。
正宗は、ひょんなことから彼女の目付け役を任されてしまった。御しきれない彼女に振り回され、さらに論文がらみのミステリーも舞い込んで……。

タイトルに釣られたけど面白かった

タイトルに心理学と付いていたので取りあえず読んでみました。
単刀直入に言って、期待外れですね。

前回のサイレント・ヴォイスのような作品かと思ったら全然違いました。
心理学のしの字も出てこない。

嫌な予感がして、表紙裏や巻末や著者のあとがきを確認してみると、ラノベ文芸賞審査員特別賞を受賞した作品から主要キャラクターを移植して再構築した作品であることが判明。どうりで内容が薄いはずですよ。

しかしまあ、そうだとわかってしまえば、そういう作品として読めば、なかなかに面白いですね。

難しい言葉や言い回しは一切ないのでスラスラとページをめくれますし、四つの謎も良くできていました。
お人好しで不器用で無骨な顔の正宗くんには好感が持てます。

それに対し、こころちゃんは超然としていて、というか言行が滅茶苦茶なのでバランスが保てているように思います。
まあ、癇癪をおこして知恵の輪とかを投げつけてくる女ってどうなんだ?ってなりましたけどね(何言ってんだ、最高じゃねぇか!)。

でも、ちょっと正宗くんはモテ過ぎじゃないかな?
男は顔じゃないっていうのは幻想で、結局は顔なんだろ?
なんで正宗くんの周りには女が集まるんだ?(男の娘も含む)
べ、べつに羨ましくなんかありませんよ。
ホント、ちっとも、これっぽちも、羨ましいなんて思っていませんよ。

何はともあれ、読んで良かったなと思える作品でした。
今作では、こころちゃんの抱えるトラウマについてあまり言及されていなかったので、次回作でそのことに触れてくれることを期待します。ただし、この作品は四年前に発売されているのに、未だに続きが発行されていないということは……。

 

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