こんにちは、青山です。

突然ですが、スロット機といえば、大人の方はパチンコ店で、それ以外の方はゲームセンターで見たことがあると思います。もちろん、遊んだことがある方もいらっしゃると思います。しかし、皆さんが遊戯できる状態になるまでには様々な動作確認やバグ調査などを行う必要があります。

今回はそういった裏側の仕事、私が実際に経験したデータ取りについて紹介します。

※スロット機に触れたことがない方にはイメージしにくいかと思います。その点はご容赦ください。

そもそもデータ取りってどんな仕事なの?

●遊技する

文字通り、実際に遊技機で遊ぶのが仕事です。もちろん、ただ遊ぶだけではないので、そのあたりを詳しく紹介しましょう。

出社して朝礼を終えると、その日に決められた遊技台の前に着席し、チェックシートを用意して作業を開始します。
スロット機で遊戯したことがある方はわかると思いますが、メダルを投入口に投入して、スタートレバーを叩き、筐体中央にあるストップボタンを順押し(左のボタンから右へと順番に押していくこと)します。
ボーナス成立時まで、それをひたすら繰り返していきます。

●ボーナス成立

私は“Aタイプ”(注1)のスロット機を専門として作業していたので、Aタイプについて説明します。
まず、筐体上部のデータカウンターを確認し、ボーナス成立時のゲーム数をチェックシートに記入します。
次に、ボーナスの種類【BB(ビッグボーナス)かRB(レギュラーボーナス)か】をチェックシートに記入します。
(その際、どんな小役と同時にボーナスが成立していたのかなども記入しておくと設定判別をする時に便利です)
機種によってはプレミア演出の種類も記入しなければならないものがあるので、結構大変です。

●設定判別

実際に遊技してボーナス成立を繰り返すのが基本的な作業となりますが、最後に設定判別を行います。
データカウンターに表示されている小役の数やボーナスの合成確率などをヒントに設定を予想します。
その後、実設定を確認します。
設定を当てられなかったからといってペナルティがあるわけではありませんので、その辺は心配しないでください。

●日報の記入

その日の作業についての感想などを書いていきます。
動作不良やバグなどを見つけた場合も記入しておきます。
一応、データ取り用の遊技機はデバックが済んでいるもののはずですが、たまに不具合が見つかることがあります。

●清掃

遊技機を拭いたり、床に掃除機をかけたりします。
脂ぎった手の持ち主もいるため、私は、遊技機の表面は念入りに拭いていました。

テスターの勤務時間や待遇は?

●勤務時間

9:00~18:00
9:30~18:30(どちらも実働7.75時間)

デバックの作業をしている人たちとデータ取りしている人たちで時間が30分ズレていました。
全体の作業人数が多かったため、出社や帰宅時などの移動をスムーズにするには、そうせざるを得なかったようです。

拘束時間が長いように思われますが、ほぼ一時間おきに小休止があるので、身体的にも精神的にも楽でした。

●給料

時給 920円(シフトの場合)
時給 950円(レギュラーの場合)

私がいた頃(2017年頃)の時給ですので、今は違うでしょう。
レギュラーというのは週休二日制で働く人のことで、シフトとは、その日の会社の都合に合わせて出勤する人のことです。
私は最初、シフトを希望していたのですが、レギュラーメンバーに欠員が出たため、レギュラーとして働くことになりました。
人気の仕事ではありますが、その反面、人の入れ替わりも激しいので、そこそこ求人はあると思います。(理由は後述します)
スロットが好きで、この仕事に興味がある方は、データ取りで検索してみてください。

●休暇

レギュラーの場合は基本的に土日祝が休みでした。
シフトの場合も土日祝は休みです。
しかし、張り出されている出勤管理表に印がついている日以外に(もともとは休みだった日に)当日連絡があって仕事を頼まれることもありました。

●その他

1.パチンカスの巣窟

恐らく、求人にはこう書かれているのでしょう。
『スロット好き集まれ!』『遊びながら稼げる仕事!!』『資格不要の単純作業!!!』
そんな惹句で募集されているから、応募してくる人間は大抵がパチンカスです。
中にはマシな人もいますが、7割くらいの人間はスロットなどのギャンブルに狂っているか、そうでなければソーシャルゲームなどにのめり込んでいるか、ですね。
ですから、本当にスロットが好きな方、あるいは機械をいじるのが好きとか、携帯ゲームが好きとか、そういう人でなければこの仕事は務まらないでしょう。

2.単純作業ゆえの苦痛

ひたすら回し続けるだけの単純作業。
スロット好きな私でしたが一週間で飽きました。
なにしろ、自分の金を賭けていないのでスリルがありません。
眠気との戦い、というか自分との戦いになりますね。

3.隣に座る奴のことで一喜一憂

一台につき一人の個人競技……ですが、一つの部屋に大人数で作業しているので、遊技台の間隔が狭いんです。
なので、自分と隣の人との距離が近いです。
ですから、話が合わないやつと隣り合わせになった時は地獄ですね。
眠気とも戦わなくちゃならないし、隣のやつとも戦わなくちゃならないので……。
その一方で、話の合う人が隣に来てくれた時は天国ですね。
時間が経つのを忘れてしまいます。
誰が隣になるかはクジ引きでランダムに決まるので、毎回ハラハラドキドキしますよ。

4.無駄に能力が高くても……

私は資格マニアというほどでもないのですが、小説家になるために役に立つかと思って色々な資格を取得しています。
エクセルの資格も持っていたので、そこで作業している全員分の設定を管理する表を作る作業を任されました。
というか、私のように資格を持っていなくても、ちょっと勉強すればできるくらいの簡単なものです。
では、どうして私に白羽の矢が立ったのか?
若い世代の子たちにはわからないかもしれませんが、30代、40代の年代の人たちの中には、パソコン操作が全く出来ないという方も珍しくありません。
マウスとは何か?
右クリックと左クリックの違いは?
そういう問題にすらならない問題さえわからないような感じです。
そんなわけで、私以外にできる人がいなかったわけです。
能力が高くても仕事を増やされるだけなので、考えものですね。

5.人気の仕事なのに人の入れ替わりが激しい

矛盾しているようですが、納得できる理由があります。
まず、応募してくるのが大抵、社会の底辺にいるような人たちなので、何かしら問題を起こします。
仲間と喧嘩したり、遅刻や当日欠勤が多かったり、金にルーズだったり……。
そういったトラブルによって強制的に、あるいは自主的に辞めていきます。
なので、人員が安定しないのです。

6.スロット好きにはたまらない

これが最大のメリットですね。
一日中、スロットを打ち続けていられるんです。
その会社が制作しているスロット機を世に出回る前に試打できるので、名状しがたい優越感を味わえます。
自分が好きな機種を制作している会社で働けたら至福ですね。

7.ご褒美

もう一つくらい良いことを書いておきましょう。
私がいた所では、色々と“インセンティブ”(注2)がありました。
100ゲーム以内のゲーム数で12連以上とか、最大ハマりゲーム数が1800ゲーム以上とか、最大出玉が1万枚以上とか、そういうAタイプのスロット機では非常に困難な偉業を達成した人に賞与がでました。
私がいた頃はまだ規制が緩かったので、結構ご褒美を貰えましたが、今はどうなっているのでしょうね?

注1:ボーナスのみでメダルを増やしていくシンプルなタイプのスロット機。

注2:仕事の意欲を高めるための刺激となるもの。例えば、給料に対するボーナス。

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