こんにちは、青山です。

皆さんは機械保全と聞いてイメージできるでしょうか?
ピンとくる人はあまり多くないと思います。
今回は、派遣社員として実際に経験したことを元に、謎に包まれた機械保全についてお話します。

※製造業に従事したことがない方には難しい話かと思います。ご容赦ください。

そもそも機械保全ってどんな仕事なの?

機械保全とは、工場の設備機械の故障や不具合を修理したり、故障や不具合を未然に防ぐための改良をしたりする仕事です。

●仕事内容

1.事後保全

保全員は普段、専用の事務所で待機しています。
そこで常に設備装置についての知識や技術を勉強しています。
しかし、製造員から装置が故障したと連絡があった場合、現場に急行して作業することになります。
このように、装置が故障してから修理することを事後保全といいます。
保全員の仕事は事後保全がメインとなります。

2.予知保全

これまでの故障・不具合のデータを精査し、装置の構造を分析して、故障や不具合が生じる前に、その原因自体を根絶することを予知保全といいます。
知識、技術、経験など、あらゆる要素を高いレベルで持ち合わせているベテランにしかできません。

3.定期点検

装置は人と違って24時間連続で稼働していますので、劣化や損耗が激しいです。
なので定期的に点検する必要があります。
汚れている部分を清掃したり、グリスアップしたり、劣化や損耗が目立つ部品を交換したりします。

新人の頃は定期点検をすることで設備装置に慣れ親しみました。
というか、本来なら派遣社員は定期点検をすることが仕事のはずなんです。
派遣社員は社員の負担を軽減するために、誰でもできる単純な作業をするのが目的のはずですからね。

しかし私は、事後保全もバリバリこなしていました。
自分が所属している派遣会社によって任される仕事の内容が変わってくるので、そこは注意してください。
定期点検だけという契約だったのに、いざ現場に行ったら事後保全も任されたんだけど……っていうことが結構あります。
低い時給で社員と同じ作業内容っていうのは納得できませんよね。

●勤務時間

8:45~16:45
17:00~ 1:00
1:15~ 8:30

このような3交代制でした。
一週間おきに時間がズレていくので、生活リズムが不規則になりがちです。
慣れてしまえば問題ないという方もいるようですが、工場系の仕事はこのような3交代制か、または2交代制なので注意してください。

●給料

時給 1,500円

専門性が高い仕事なので時給も高かったですね。

●休暇

基本は5勤2休……ですが、ちょっと変則的でしたね。
休みが2.5日あるような時もあれば、1.5日しかない時もありました。
祝日も休めませんね。

工場系の仕事は24時間休みなく装置を稼働させているため、必ず誰かが働いていなければならないからです。
通常の休日以外の休みといえば、ゴールデンウイークとお盆と正月くらいですね。
しかし、工場によっては祝日が休みのところもあるようです。
なので、工場で働きたいという方は現場に行く前に確かめてみてください。

機械保全の仕事のメリットは?

●機械好きにうってつけ!さらに深く知ることができる!

見渡す限り機械ばかり並んでいる職場での仕事ですので、機械が好きな人は心が躍ると思います。
工場に設置してある様々な装置に触れていると、機械とは何ぞや、という問いに答えを見出すことができるでしょう。
機械についてわかってくると、私たちが日常的に使っている電子機器などについても、ある程度わかるようになります。
パソコンやテレビや電子レンジなどの簡単な不具合なら直せるようになります。

●資格を取れる

私は機械保全に従事している時に、機械保全2級の資格を取得できました。
勉強会を設けて頂いた上に資金援助までして頂けたので本当にありがたかったです。
資格があることで自分に自信もつきますし、成長を実感できるので嬉しいですね。
派遣会社によって、このような便宜を図ってくれるところもあるので、確認してみてください。

●就職難?なにそれおいしいの?

機械保全ができる人は、工場系に限っては引く手あまたです。
専門性が高いので、できる人が少ないのです。
私は機械保全でなくても、工場系の仕事ならどんなものでも一通り採用してもらえました。
私の場合は資格を持っていたことも強いのでしょうが、そうでなくても「〇〇工場で機械保全をしていました」と言ったら、どんな工場でも即採用してくれると思います。

機械保全の仕事のデメリットは?

●高い専門性

正直、機械保全についての知識や技術を身につけるのは滅茶苦茶に大変です。
日々、勉強しなければなりません。
仕事が暇な時や休みの日など、寝ているとき以外は常に機械保全のことを考えていなければなりませんでした。
私はゼロから始めたので、それくらいじゃないと周りに追いつけませんでした。

知っていましたか?
脳を酷使すると鼻血が出るんですよ!
私はしょっちゅう鼻血を出していました。

●人間性

機械保全に従事している人の多くは職人気質です。
融通が利かない・愛想がない・どこに地雷が埋まっているかわからない……(星一徹かよっ!)
一緒に仕事をしていなくても、近くにいるだけで疲れます。
一緒に働く方の顔色を窺いながら仕事をしているのか、顔色を窺うことが仕事なのか、わからなくなってきます。
ですが面白いもので、こういう職人というのは、仕事ができる人に対してはフレンドリーなので、慣れてしまえば楽です。
しかし、慣れるまでは地獄だと思ってください。

●製造課からのプレッシャー

装置が故障したままだと生産性が落ちてしまい、顧客に迷惑がかかってしまいます。
納期を守れないと信頼を失ってしまうので必死ですよ。
でも、故障や不具合の原因がなかなか突き止められないことがあります。
その時の圧力たるや……
上からのプレスと下からの突き上げでサンドウィッチ!
心がペラッペラになります。
胃に穴が開きそう、というか、実際に開いちゃった人もいるくらいですから、ストレスの度合いが御理解いただけると思います。

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