こんにちは、青山です。
今回はドッペルゲンガー宮≪あかずの扉≫研究会流氷館へ(著:霧舎巧)のレビューとなります。


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「ドッペルゲンガー宮≪あかずの扉≫研究会流氷館へ」のあらすじ

事情があって二年遅れて高校を卒業し、二十歳で大学新入生となった二本松翔は、≪あかずの扉≫研究会というサークルに入会した。会長の後動悟が卒業論文の資料を集める目的で設立されたサークルであるが、その過程で幽霊話や猟奇事件に出くわすこともしばしば。そんな≪あかずの扉≫研究会に、ある高校の教諭から依頼が舞い込んで……。
巨大な洋館、流氷館を舞台に繰り広げられる惨劇に、≪あかずの扉≫研究会のメンバーが挑む。

本格推理モノとしてはおススメの一冊

本格推理モノの作品ですね。
第十二回メフィスト賞に輝いた作品で、これが著者のデビュー作とは思えないほど重厚な内容となっています。
新本格ミステリーの祖とされる島田荘司さんが著者の名付け親ということで、つまりそれは、この作品の品質が保証されているというお墨付きなんです。

読者を飽きさせないように散りばめられたいくつもの謎は、差し詰め、プロボクサーの放つジャブで、そのダメージがじわじわ効いてきたところへメインの大掛かりなトリックです。
それは強烈なアッパーかスマッシュかガゼルパンチですね。切れ味が最高です。
しかも、相手がもうダウンしているのに追い打ちをかけてくるんですよ、これ。
嬉しい悲鳴が上がること請け合い。

本格好きの皆さんへ、自信をもって勧められる作品です。

私のようなライトユーザはきついかも

前項で本格推理モノの作品としてはおススメと言っておきながら…謎がくどい!!!
マジできつい…

私は本格ミステリーなんて、実はそこまで好きじゃないんですよ…
そういうライトユーザーにとっては、この作品を読むことは苦行としか言いようがないです…

天下一品のこってりラーメン以上に濃厚。
まあ、大岩亭の大岩ラーメン特鳥よりはマシですけどね。

何故かというと、ちゃんと最後まで読み切ることができたから!

私、本は好きだけど“ビブリオマニア”(注1)ってほどではないので、よっぽど苦しいと思った作品は完読できません。
もっとも、そんな作品は過去に一冊しかないですけどね。

それはさておき、私が完読できたということは、最悪な作品ではないということです。
私と同じライトユーザーでも、頑張ればきっと読めます!
健闘を祈ります。

注1:愛書狂、蔵書狂などと訳される。広くは「本好き」を越え「本を愛している」人のこと。
本に書かれている知識に執着するタイプや、本そのものを蒐集することに執着するタイプなどがいる。
「犬とハサミは使いよう」というライトノベルの主人公がまさにこれ。

 

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