こんにちは、青山です。
今回はテロリストのパラソル(著:藤原伊織)のレビューとなります。
「テロリストのパラソル」のあらすじ
アルコール中毒の島村圭介は新宿の吾兵衛という店でバーテンダーをしている。いつものように、震える手を見つめながら公園で酒を飲んでいると、公園の中央で爆弾が破裂した。爆弾テロであった。それは、島村が二十年以上も隠してきた過去へとつながる合図となった。
傑作としか言いようがない作品
これは第四十一回江戸川乱歩賞と第百十四回直木賞を史上初めてダブル受賞した作品です。
テレビドラマにもなったので御存知の方は多いかと思います。
一言で言えば傑作。
というより、その一言でしか表現できない作品です。
以上、終わり。
……だって、私ごときが口出しできるレベルの作品ではないですもの…
予選選考、本選考ともに満場一致で最高評価を得ているんですよ?
信じられませんよ。
例えるならガンダムですね。
連邦のモビルスーツは化け物か!(シャア風に)
って感じです。
人物の造形や物語の構成、言い回し、全てにおいて突出しています。
二十ページも読まないうちに、本の世界へと引き込まれます。
一部では全共闘世代に媚びていると“腐す”(注1)輩もいるようですが、私は気になりませんでした。
もしもそのことが“瑕瑾”(注2)をつけているとしても、傑作という二文字は揺るがないでしょう。
どんな世代の方にも読んでいただきたい作品です。
注1:くさすと読む。悪意をもって悪く評する。けなす。
注2:かきんと読む。全体として優れている中にある、惜しむべき小さな傷。