こんにちは、青山です。
今回はフリッカー式 鏡公彦にはうってつけの殺人(著:佐藤友哉)のレビューとなります。


↑画像をクリックするとamazonの商品ページへ遷移します

「フリッカー式 鏡公彦にはうってつけの殺人」のあらすじ

「佐奈が死んだの」
かわいい妹の死を母親から告げられ、狼狽する僕、鏡公彦。
自殺だった。遺書もあった。しかし、大槻涼彦と名乗る男が僕のアパートにやってきて、一本のビデオテープを再生した。
そこには、佐奈が三人の男に凌辱される姿が映し出された。
「公彦君、実はきみにプレゼントがあるんだ」
そう言って大槻がバックから取り出したものは、妹をレイプした男たちの、娘や孫娘の写真だった。
僕、鏡公彦の復讐が始まる。

自分には全く合わなかった作品

この作品は第二十一回メフィスト賞を受賞しています。
皆さんは、メフィスト賞と聞いたら真っ先に誰を思い浮かべるでしょうか?

私は即答できます。

森博嗣さんです。

「すべてがFになる」で第一回メフィスト賞を受賞した御方です。
知ってますよね?
ドラマやアニメにもなっていますしね。

初めて「すべてがFになる」を読んだ時の感動は今でも鮮やかに、私の脳裏に焼き付いています。
それからは完全に彼のファンになってしまいました。

だから、半端な作品を同列にしてほしくないんです。

そもそも、メフィスト賞ってのは森博嗣さんのために用意された賞なんですよ。
選考する人たちも応募する人たちもそれを自覚して欲しいものですね。

もちろん、私の基準値に到達していない(端的に言って、気に入らない)というだけで作品を云々するのはどうかと思いますが、生理的に受け付けないのですから、しょうがない…

以下に、私が気に入らない理由を列挙します。

①ラノベ感

登場人物の人格、言葉遣い、動作などが完全にライトノベルですね。
「これはライトノベルです」と提示されているものを読むならいいですが、そうじゃないのにラノベ感がある作品には虫唾が走ります。

②詰め込みすぎ

七十七人の女性を殺害している連続殺人鬼あり(日本の警察をナメすぎだろ)、超能力あり(予言、視点の共有)、ロボットあり(本人そっくり)、もうなんでもありか!?

ふざけないでください。

いくつもの味が混ざって調和のとれていない“ごった煮”(注1)ですよこれ。
こういうのを「ダメ垂直統合」っていうんだよ!!!

③文章

主人公の怒りとか憎しみとかを表現したかったんでしょうが、いきなり句読点がなくなった時には呆然としました。
マジで読み辛い…
著者が意図的にやっているとはいえ、許容できませんでした。

申し添えておきますが、私の口に合わなかっただけで、この作品が好きだと感じる人も大勢います。
評価なんてものは結句、読者当人が決めることですからね。
しかし、この作品を手に取る前に、私の評価を読んで一考していただけたら幸いです。

 

注1:野菜や肉など様々な食材を一緒に煮込んだもの。転じて、雑多な要素・ジャンルを区別せずに詰め合わせていること。

 

▼この記事が気に入ったらぜひシェアをお願いします!