こんにちは、青山です。
今回は書くことが思いつかない人のための文章教室(著:近藤勝重)のレビューとなります。

「書くことが思いつかない人のための文章教室」のあらすじ

「文章を書く」とは、長い間の記憶から体験を引き出して描写することだ。自分にはそんな特別な経験はないと考える人でも、うまい引き出し方さえわかれば書ける。また、伝わる文章にしたいなら、くどくどと説明してはいけない。とにかく描写せよ。細部に目をこらして書けば、真に迫る。ベテラン記者で名コラムニストの著者が、ありきたりにならない表現法から、書く前の構成メモ術まですぐ使えるコツをやさしく伝授。(裏表紙より)

「細かい描写」の重要性

「神は細部に宿る」という言葉を知っていますか?

ドイツの建築家、ミース・ファンデル・ローエの名言です。
ディテール(詳細)にこだわってこそ、作品の本質が決まるので、細かいところにまで気を配らなければならない、という意味です。

私は以前から、この言葉自体は知っていましたが、意味はわかっていませんでした。
名言というのは心を豊かにしてくれますが、意味を知らなければ虚飾に過ぎません。
ブランド品と一緒です。
シャネル、ルイ・ヴィトン、プラダ、グッチ、フェンディなど、ブランド品だからという理由だけで有難がって身につける浅薄な人間と同じ。

なぜ名言たり得るのか、その意味がわかって初めて、言葉は実用的なものになるのですから。
そして、この名言は文章を書くうえでも大切なことを提示してくれています。

本書の著者も、この名言を引いて「細かいところまで描写せよ」と言っています。

私は実践できていませんでした。
というか、細かく描写することの重要性に懐疑的だったんですよ。
細かいところまで行き届いた描写って、くどくないですか?
読んでると頭が痛くなってくるんですよね。だから自分の作品も描写はそこそこにしていたんです。

しかし、本書を読んで深く反省しました。
私がどう思っていようと、他の大多数の人が望んでいるのなら、そちらに合わせた方がいいに決まっていますからね。

これからは細かく描写します。

書き出しで興味を引こう

本書には、文章を書くうえで大切なことが色々と載っています。

二重表現になっていないか、「思う、考える、感じる」を多用していないか、句読点の打ち方は正しいかなど、本書を読まなければ間違いに気付けなかったことがたくさんあります。
とりわけ、書き出しには力を入れなきゃなと改めて心に誓いました。

百目鬼恭三郎(どうめききょうざぶろう)という方の話が載っていたからですよ。
この人が『朝日新聞』の入社試験の作文を採点した話なんですが、なんでも彼は、最初の数行を読んでダメだったら零点にしてたらしいです。
これって実は、小説のコンテストの選考委員たちと同じなんですよね。

数行とまでは言わないまでも、数ページ読んで是非を判断しているはずです。
だって、何百何千もの作品をふるいにかけなきゃならないですから、そうしないと時間がないんですよね。

たった数ページで私の作品の何がわかるんだ!?と反論したくなりますが、まあ、そうなっているのなら仕方ありません。

逆に考えましょう。

ようは、最初の数ページが完璧なら、竜頭蛇尾な作品でもいいってことですからね。
実際、最初はいいけど最後はちょっと・・・っていう作品もありますからね。
まあ、何とは言いませんがね。

私のブログを読んでいただけたら、どこかでそんな作品を紹介しているかもしれませんよ(←ステマ)。

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